▼契約書・保証書について
(9)契約書、保証書
住宅産業はクレーム産業といわれ、実際にトラブルの多い業界です。住宅は生活のベースとなるものであり、その工事は金額が高く、しかも内容が複雑で多岐に渡ることから、いろいろなところでひずみが発生するのはいたしかたない部分も確かにあります。しかし、これまで問題だったのは、業者側もユーザーもそれを当たり前と考えていたことです。業者はクレームがあっても開き直ったり、なにかと言いつくろっておざなりの修繕で済ませたりすることがありました。ユーザーも業者に無視されれば、すぐあきらめて泣き寝入りせざるをえなかったのです。
しかし、住宅品質確保促進法、消費者契約法といった法律の施行により、住宅の性能保証や訴訟、契約解除などの面でユーザーにとって有利な法環境が整って、リフォーム工事でもこれまでのようなトラブルがスムーズに解決される方向に進みつつあります。
トラブルを防ぐ第一の手段は、よい業者選びであり、その方法については前述しました。
それではリフォーム店が決まった段階では何が必要でしょうか。
それは、確実な契約を結ぶということです。そのためには、契約時の書類の取り交わしと内容確認という、ビジネスの原則を守るのが基本です。
リフォーム工事は新築工事と同様、次のような書類が発行されます。
◎工事請負契約書基本的な契約のための書類です。工事名称、注文者、工事邸の所在地、工事時期、代金、支払方法などが記されています。当たり前の内容のように思われますが、工事時期、代金をはじめとして、記載に誤りがないか必ずチェックしてください。
◎請負契約約款
契約内容について詳細に記した文章で、契約書の一部です。細かい文字でびっしり書かれているので、意外に多くの人が面倒くさがって内容を読まないことがあるようですが、後々のトラブル発生に備えた取り決めごとが記載されているので、全文をしっかり確認してください。

◎設計図書
いわゆる「設計図」のこと。最もベーシックなものは、家を上から見た状態の「平面図」で、他に室内の壁面を描いた「展開図」、天井面を描いた「天井伏図(てんじょうふせず)」、家の外面を描いた「立面図」などが添付される場合があります。他に、材料の一覧表である「仕様書」もこれに含まれます。これらはどんな工事が行なわれるかのいわゆる証明書ですので、技術的なことはわからなくても自分なりにチェックしておくことが大事です。
◎見積書
見積書については、前述した通りです。
◎保証書
保証制度を定めているリフォーム店では、保証書を渡してくれるはずです。保証内容には制限がありますので、これも契約約款同様、きちんと読んでおかなければなりません。
◎工事変更合意書工事の変更における「言った言わない」のトラブルを防ぐための確認合意書。用意していないリフォーム店もあるかもしれませんが、どのような形式でも書面を交わした方が安心です。
住宅工事に関するトラブルとその対処法については、既に紹介したリフォネット=(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターが、ホームページやパンフレットで事例を紹介したり、トラブルの相談方法を取り扱っていますので、一度チェックしておくとよいでしょう。