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▼見積について

(7)相見積りについて

新築住宅でも業者選びのために相見積りを取るユーザーがいます。これは、少しでもよい業者を選ぶために考慮に入れてもよい方法ですが、見積り額だけで業者を選択する(つまり、単純にいちばん安いところを選ぶ)のは避けていただきたいと思います。なぜなら、もし入札制度のように純粋な価格競争で業者を選ぼうとするなら、見積りの条件を業者間でほぼ同じ条件にしなければならず、そのためには細かい仕様まで事前に決定しておく必要があるからです。
前述したように、完全に計画を整えた上で業者に相談に出向くユーザーは少なく、業者と相談しながら計画を固めていくケースがほとんどです。だから、最初に提出される見積りはあくまでも概算。したがって、相見積りの段階ではただ価格を単純に比較するのではなく、次のような点で各業者をチェックしていただきたいと思います。
なお、見積りをお願いする前に、概算見積りに費用がかかるかどうかは確認しておいた方がよいでしょう。
(一)要望に十分応じているか、どんな具体的な提案がなされるか
ユーザーの要望に確実に応えた見積りになっているかどうかは最低条件です。しかしながら、ユーザーの希望に機械的に従っただけの見積りは不安です。リフォームのプロとして、どのような提案がなされるかもチェックポイントの一つだといえます。例えば、ユーザーが「健康住宅を」という漠然とした希望を出した場合、業者としてはそれを具体的に形にして提案しなければならないはずです。ユーザーの要望に具体的に応えようとしたたために、他の業者より割高になったとしても、もしそれが家族にとって必要性が高いと感じられるなら、そちらを選んだほうがよいということにもなるでしょう。
(二)見積書の形態はどうか
次図はリフォームの見積書の一例ですが、見積書の形態は様々ですので、一概にどれがよいとはいえませんが、やはりあまりに大雑把なものより、材料や施工について詳しく記されているもののほうが信頼をおけます。記入の仕方は基本的には、工事部位ごとの材料単価×使用面積(または長さ、個数)で表されますが、単位で計算できない工事は「1式」「1カ所」といった表現でひとまとめに記されます。なんでもかんでも「1式」でまとめてしまっている見積書は、大雑把すぎるといえるでしょう。
(三)工事内容について詳しく答えられるか
見積書をもとに、わからないことは説明を求めてください。当面の交渉相手は営業社員である場合が多く、技術的な詳細には答えられないかもしれませんが、あまりに無知な相手では心配です。また、わからないことがあったら社内の専門家に問い合わせるといった姿勢のみえる営業社員であれば、信頼性は高いといえるでしょう。
(四)問題点をちゃんと説明するか
例えば、窓を大きくしたり天窓をつけたりすると、部屋が明るくなるものの、夏は日差しが差し込んで暑く、冬は暖気が逃げて寒くなりがちです。そのために日除けや複層ガラスなどプラスアルファの出費も考慮に入れなければなりません。こういう問題点をきっちり説明できるかどうかも、相手の力量を見極めるポイントです。
(五)解体、廃棄物処理費用についてどう説明するか
リフォームは現住宅を部分的にでも解体しなければなりませんから、正式な見積りを作成するには現場調査が不可欠です。相見積りでも、現場調査をしてもらった上で見積書を作成してもらえば、より正確な比較が可能ですが、多数の会社に自宅の現状を見せるのは抵抗があるかもしれませんし、そこまでしてもらったうえで断るのは気が引けるという人もいるでしょう。そのような場合、相見積りでは解体費用は目安として考えることになります。
しかし、正確な解体費用ははじき出せなくても、解体や廃棄物処理に関する業者からの説明はあってしかるべきです。例えば、廃棄物処理法によれば、リフォーム工事から出た廃棄物は、元請業者(排出事業者)が処理しますが、費用は消費者が負担します。こういったことがしっかり説明されているかどうかは、良心的な業者か否かの分かれ目となるでしょう。
(六)どんどん値引きしてくる業者に注意
リフォームの値引きは本来、建築士などが施工業者に対して「この材料は多少落としても問題ないはず」といった具体的な交渉のうえで成り立つものです。フリーマーケットで古着を買うわけではないので、住宅の新築やリフォームにおける総額での値引き交渉は実はあまり意味がないともいえます。なぜなら、値引きしてから、その金額に合わせて原価や施工方法を調整することが可能だからです。例えば、床張りなど広い面積に使用する木材を、当初は一級の予定だったものを二級に落とせば、コストを大幅に節約できます。このようなことは概算の見積りでは反映されないことが多いので、ユーザーにはわかりません。
相見積りをとると、業者の中には「ライバル会社より安くします」といったトークで攻めてくる(そういうマニュアルが用意されている)場合もあるかもしれません。このような会社はあまり信用しない方がよいでしょう。